前半と後半では別チーム、というのは、サッカーの試合を長く見ていれば、どんなチームでもある事かもしれませんが、この日の横浜FCもその言葉通りの様相でした。
そして、前半は新加入選手を中心に見所が多く、昨年とは変わった所を多く見かけたのですが、後半に入って攻めあぐねる様になると、昨年の悪い頃と変わらない有様に。
讃岐の守りも確かに堅く、それでいてもう少し揺さぶりをかけるなどの工夫が、選手にも監督にも必要だったかもしれません。特に、ルス監督について、選手交代の切り方がオーソドックスで変化に乏しく見えたあたりが、昨年との変わらなさに対して失望感を抱くに、疑念の余地さえないと言っていいでしょう。
昨季とか、あと今季の開幕前でも「縦への意識」を強く打ち出した割には、もう少し仕掛けが欲しかったか、と。
サイド突破で市村や田所をもう少し奥深く切り込ませるとか、バイタルエリアでもう少し寺田を積極的に絡ませるとか、中里あたりも含めてミドルを打っていくとか、相手が堅いなら堅いなりに、いろいろ工夫を凝らしながらやってみてもよかったかもしれません。
ただ、先にも触れましたが、新加入選手が見所を作るなど、前半だけなら悪くなかった所は否定しません。特に、藤井はまさに「掘り出し物」と言うべき働きを見せてくれたかと。サイドハーフの経験は乏しいとの事でしたが、これで市村などサイドバックとの連携が取れるようになれば面白い存在になりそうな気配かと。
それだけに、後半で攻めあぐねていくうちにガラリと「変わり身」を見せられなかったのは、残念という他なく、監督の采配や攻撃時の工夫などの課題が結局のところ大きく残ってしまっている感じでした。
そんな様相だからこそ、試合後にゴール裏からブーイングが出るのも、止む無しというところでしょう。
今季のスタートが、何とも不安感たっぷりなシーズンを送りそうな気配を見せてしまい、大いに不安を感じますが、せめてこの開幕戦をもって、次節で「叩き一変」と行ってくれればいいのですが……
2016明治安田生命J2リーグ
第1節vs.カマタマーレ讃岐
@ニッパツ三ツ沢球技場
横浜FC 0 (0-0) 1 讃岐
<得点者>
74分 仲間 隼斗(讃岐)
<入場者数>
9,929人
●試合終了後コメント
(監督 ミロシュ ルス)
実際結果は非常に残念に思っていいます。
それでも選手たちはよくやってくれたと思いますし満足しています。
実際に前半はボールコントロールができて、サイドを使っていくというような
意図をもって右サイドからクロスをしっかりあげてゲームをコントロール
しようとしました。
実際にあとはサイドチェンジを活用して自分たちのやり方を進めていこうと考え
ていて、その中でいいチャンスを自分たちのプレーからも作れたと思います。
そこで後半もそのような形で臨んだんですが、サイドを活用するなかですこし強引に縦パスを通そうとする意図があって、そこからセカンドボールを失ってしまったというのは少し残念に思っています。